セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の加入手続きを実際に行ってみて、一筋縄ではなかったので、手続きを行っていく上で躓いた点など、初めて加入する際に注意しておくべき点をまとめてみました。
セーフティ共済とは
今回は加入手続きについてに焦点を当てますので、制度の概要等については以下の運営元の中小機構のホームページをご確認ください。
セーフティ共済による節税効果についてお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
最強の節税 セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)はここがすごい!
加入資格
加入資格の要件は以下のリンクのとおりです。
この要件を満たしてさえいれば、加入できるそうです。
実際私の会社は特定の事業者の方と取引しているわけではないため、取引先の倒産によって連鎖倒産や経営難に陥るなんてこともありません。制度の趣旨には全く合致していない会社ですが、加入できました。
つまり、加入要件の審査はゆるいです。
提出書類
申込書類の入手
中小機構から
中小機構のHPの資料請求フォームから請求するか、コールセンターへ電話で請求することができます。
委託機関から
委託機関の窓口で入手する。委託機関については次のページ参照。
税理士の協同組合も窓口となっていますので、顧問税理士に依頼することも可能です。
必要書類
必要書類は次のページをご参照ください。
法人税を納付したことを証する「納税証明書(その1)」については直近の申告で納税額が発生していない場合は不要です。(コールセンターで確認)
書類作成上の注意点
節税目的で加入する方は1年分を振込で前納するケースが多いと思いますが、申込時に振替えを行わない場合も必ず「掛金預金口座振替申出書」は記載が必要になりますのでご注意ください。
また、金融機関以外の委託団体で申込みを行う場合は、金融機関から「掛金預金口座振替申出書」の金融機関口座確認印をもらう必要があります。
加入窓口
非対応の金融機関
書類を用意して、どの窓口に提出しに行くかですが、中小機構のホームページに次のような注意書きがあります。
ゆうちょ銀行、農業協同組合、労働金庫、新生銀行、あおぞら銀行、シティバンク等の外資系銀行、楽天銀行等のインターネット専業銀行は、経営セーフティ共済をお取扱いしておりませんのでご注意ください
まさに我が社はゆうちょ銀行とネット銀行しか口座がなかったのでそもそも金融機関での窓口が絶たれました。
また前述の掛金の振替の口座も上記金融機関は対応してませんので、口座の開設が必須であることにここで気づきました。
新規の法人口座開設には1週間ほどかかりますので、決算日までに間に合わないということにもなりかねません。ここは要注意です。
さっそく口座を開設しました。そのときの記事はこちら。
窓口はどこでもいいわけではない
最初私は近くの法人としては取引もない銀行に当たり前のように行き、書類を提出し、待っていました。行員の方もほとんど見ない書類に見るからに浮き足立っている様子でした。振替申出書を書かされた結果、当行から1年以上融資取引がないお客様の申込は受け付けられない、と言われました。
改めて中小機構の加入窓口のページを見ると確かに次のような注意書きがありました。
経営セーフティ共済への加入手続きは、中小機構と業務委託契約を締結している団体(委託団体)または金融機関の本支店(代理店)の窓口で行ってください。委託団体の場合は会員(組合員)であること、金融機関の場合は、融資取引があることが条件となります。
窓口を商工会にするのであれば商工会の会員でないといけないし、金融機関を窓口にするなら融資を受けてないといけないということになります。
ただ金融機関によって受け付けている条件が異なるようです。ある銀行では1年以上の融資取引がないとと言っていましたが、三菱東京UFJ銀行に口座を開設したときにダメ元で申込を行えるか聞いたところ、できるということで、融資もなく、口座開設したばかりでも手続きをしてもらえました。
しかし、金融機関からするとこのセーフティ共済の事務は明らかにレアらしく手探りでやっているようでしたので、たまたま私が運良くすり抜けたという可能性もありますので、窓口で申込が可能か事前に確認をとった方が良いかもしれません。
顧問税理士がいるのであれば、税理士に依頼するというのがハードルが一番低いかもしれません。
現金はその場で必要
前納を振込みで行う場合はその場にその掛金が必要になります。
私は申込時には口座を開設したばかりでしたので、資金を持っていませんでした。すぐにネットバンキングで三菱東京UFJの口座に入金し、手続きを行ってもらいました。
待ち時間
1年分の掛金を用意し、書類を提出してから1時間以上待ちました。
いつまでに手続きをすればいいのか
中小機構のコールセンターに聞いてみました。
例えば12月決算で翌1月〜12月の分を前納し、その前納分を損金(法人税)または必要経費(所得税)にしたい場合、12月中(年末休み前まで)の委託機関の受付印と12月中に振込が完了していることだそうです。
委託機関から中小機構の方に書類が回り、審査が開始されますが、その際に軽微な修正であれば受付印と振込が完了している限りその月に処理できるが、重大なミスがある場合は、その月に処理できない場合もあるとのことでした。
契約締結証書到着
1ヶ月程度で「中小企業倒産防止共済契約締結証書」が到着しました。
契約成立年月日は申込日で処理されてましたので、無事決算期末までに契約が成立していたことを確認できました。
まとめ
私の場合は振替できる口座がなかったので、口座を開設するところから始まり、何も知らず最初に窓口に申込みに行ってから結局その1週間後に申込書を受理してもらえました。個人事業主の方の場合はある程度金融機関の口座を持っていると思われますので対応できるかもしれませんが、法人の場合は特に余裕を持って手続きを開始することをオススメします。
なお、2年目以降の手続きにも注意点があります。
セーフティ共済の掛金の支払いは前納を申し出ないと月払いになりますので、前納で節税する場合は前納申出書を提出することが必須になります。その手続きについては次の記事を確認してください。